本記事の目次
発酵初心者向けの記事(▶塩麹・醤油麹－【初心者向け】選び方と「酵素の力」入門ガイド）を読んだあなたは、市販の麹調味料の便利さと、その裏にある「酵素の力」の魅力に気づき始めているはずです！！
最近ではスーパーでも見かけるようになった「塩麹」や「醤油麹」。
市販のものも便利ですが、実は自分で作ることで、香り・味・栄養が格段に変わります。
手作りの塩麹・醤油麹は、市販の非加熱品と比べても、その酵素の活性と旨味の深さが格段に違います。
なぜなら、あなたの手元で麹菌が生き生きと活動しているからです。
手作りの発酵調味料は、酵素がしっかり生きていて、あなたの料理にやさしく寄り添う万能調味料になりますよ。
【自家製チャレンジ】塩麹・醤油麹は「混ぜて待つだけ」！
失敗しない麹作りと活用術
①なぜ手作りがいいの？
市販品は製造・流通の過程を経るため、加熱殺菌されていることが多く、保存性は高い反面、麹菌が作り出す酵素がどうしても活性が落ちてしまいます。
一方、手作りの塩麹や醤油麹は酵素が最も元気な状態で使えます。
時間をかけて熟成させることで、麹菌が活発に働き、アミラーゼ（糖化酵素）やプロテアーゼ（たんぱく質分解酵素）が豊富に生まれます。
さらに乳酸発酵も行われるので旨味も生まれます。
これらの酵素は、
・たんぱく質を分解して肉や魚をやわらかくする
・デンプンを糖に変えて自然な甘みを引き出す
・消化を助けて腸にやさしい食卓をつくる
といった、うれしい働きをしてくれます。
②材料選びとコツ
・米麹
→乾燥麹と生麹がありますが、初心者には常温保存が可能な乾燥麹が手軽でおすすめ。
色が白く、カビ臭くない、国産米使用の良質なものを選びましょう。
・塩
→精製塩ではなく、ミネラル分が豊富な天然塩を選ぶと、麹がより元気に活動し、味にも深みが出ます。塩選びについてはコチラ▶塩の選び方―発酵食の成否は「塩」で決まる！精製塩と天然塩の違い
・醤油
→醤油麹には、ぜひ本醸造で原材料がシンプルな良質な醤油を選んでください。
③手作り塩麹の作り方
〈材料（作りやすい分量）〉
・米麹（乾燥）…２００g
・塩…６０g
・水…３００ml
【塩選びについ▶ 塩の選び方―発酵食の成否は「塩」で決まる！精製塩と天然塩の違い】
〈作り方〉
① 清潔な保存瓶に米麹と塩を入れ、よく混ぜる。
② 水を加えて全体をしっとりとさせ、常温で保存。
③ １日１回混ぜながら、７〜１０日ほどで完成。
※冬場は気温が低く発酵がゆっくりなので、１０日〜２週間ほどかけてもOK。
※完成の目安は、米麹が柔らかくなり、ほんのり甘い香りがする頃。
〈ポイント〉
・発酵が進むほど、味に深みとまろやかさととろみが出ます。
・冷蔵庫で３ヶ月ほど保存可能。
・塩の分量を減らす事は可能ですが腐敗の原因にもなります。
〈おすすめの使い方〉
・蒸し野菜と少量和えるだけで旨味アップ
・鶏肉や豚肉の漬け込み（基本一晩）
・炒め物の味付けやスープの隠し味にも
・オリーブオイルや酢と混ぜてドレッシングに
④手作り醤油麹の作り方
〈材料（作りやすい分量）〉
・米麹（乾燥）…２００g
・醤油…３００ml
【醤油選びについては▶ 塩の選び方―発酵食の成否は「塩」で決まる！精製塩と天然塩の違い】
〈作り方〉
① 清潔な瓶に米麹を入れ、醤油を注いでよく混ぜる。
② 常温に置き、１日１回かき混ぜながら１〜２週間。
③ とろみが出て香ばしい香りがしたら完成。
※発酵が進むと色が濃く、味もまろやかになります。
※冷蔵保存で３〜４ヶ月OK。
〈ポイント〉
・発酵が進むほど、味に深みとまろやかさととろみが出ます。
・冷蔵庫で３ヶ月ほど保存可能。
〈おすすめの使い方〉
・冷や奴や蒸し野菜、刺身に少量のせるだけで旨味アップ
・鶏肉や豚肉の漬け込み（基本一晩）
・炒め物の味付けやスープの隠し味にも
・マヨネーズと混ぜてディップソースに
⑤「育てる」感覚で楽しむ発酵生活
手作り麹の魅力は、日々の変化を「感じ取れる」こと。
朝と夜で香りや色が少しずつ変わり、まるで小さな生命を育てているような感覚です。
失敗が怖い人は、まずは乾燥米麹を使うレシピからスタートするのがおすすめ。扱いやすく、常温で発酵しやすいので安心です。
また、使う塩や醤油の種類によって味も変わるので、
「自分だけの発酵調味料」を見つける楽しみもあります。
自家製甘酒も作ってみたい方はコチラの記事もオススメ▶甘酒の作り方―おうちで作る発酵美容ドリンクの完全ガイド
まとめ
スーパーで買う発酵調味料も手軽で十分魅力的ですが、一度手作りを体験すると、その奥深さと香りの豊かさに驚くはず。
手作り麹は「毎日のごはんを整える調味料」であり、「あなたの暮らしを整える時間」でもあります。
私自身日々の忙しさの中で、食と向き合う時間や家族や自分のためにちょっと手をかけ手作りする時間が、私の心を整える時間にもなっています。
発酵を「買う」から「育てる」へシフトし、発酵の力を、あなたの台所で育てる楽しみに変えてみませんか？
